「クリスマスローズ」と付いていますが、バラではありません。
ヘレボルスという学名で「キンポウゲ科」の植物です。クリスマスローズという名前は、もともとヨーロッパでクリスマスのころに咲くヘレボルスニゲルという純白の原種のことを指して呼ばれていましたが、その名前の響きのよさから、日本ではヘレボルスの仲間全体をクリスマスローズと呼ぶようになりました。なじみ深い名前ですよね。
「クリスマスローズ」という名前がついているので、12月頃に咲くことを想像しますが、実際に年内に咲く種類はそう多くはありません。クリスマスローズの名前のもとになったヘレボルスニゲルは、年内に咲きやすい植物です。花色が豊富にあるクリスマスローズの仲間は、花壇で栽培した場合に、一般的には、2-3月頃に一斉に開花を始めます。年末年始からお店にならぶ花の咲いたクリスマスローズは、プロの生産者さんが栽培して、早く咲かせたものです。最近は、品種改良が進んだことで、より早く咲いてくる品種もでてきましたね。
クリスマスローズは、秋から春にかけて生長して、夏にお休みする植物です。日本の夏は、暑くてむしむし・じめじめする気候で、夏にお休みするクリスマスローズにとっては、株元が蒸れやすく腐りやすいため、よい環境とはいえません。夏を越して、また春にたくさんの花を咲かせるために、夏場は風通しの良いできるだけ涼しい日陰(木陰など)になるようなところがベターです。鉢植えでしたら、お水を与えすぎないことが大切です。
冬の寒さには強い植物ですので、霜がおりても、雪の中でも大丈夫。特に冬は、太陽の光を一杯に浴びるような日当たりのよい環境を好みます。鉢植えの場合も、わざわざ家の中に取り込まないで外に置きっぱなしで大丈夫です。
株を力強く育てて、たくさんのお花を咲かせるために必ず施してください。秋10月ころから春4月にかけては、新しい葉や花が展開する季節で、肥料を規定通りに施してあげることがコツ。6月の梅雨から9月残暑までは、夏のムレに注意することから、肥料を施さないようにしましょう。肥料は、数か月かけて長く効く、緩効性化成肥料(かんこうせいかせいひりょう)を植物のまわりの土表面においてあげるのが簡単な方法です。
クリスマスローズは、秋と春に新しい葉を展開します。やわらかいきれいな葉っぱがそれです。そこからかたくて大きな葉っぱに生長します。夏場はこのかたくて大きな葉っぱが強い日差しや暑さから植物を守ってくれますから切らないようにしてください。秋10-11月頃に新しい芽が株元から動き始めたら、その生長の妨げになるように覆いかぶさっているかたくて古い葉は切っても生育には問題ありません。